前近代の中国では、法律は民衆を統治するための道具であった。本書は「律」という法規範、そのなかでも刑法に関わる条文を分析し、国家が民衆を統治しようとする政策的意図を明らかにする。秦律、漢律のなかの刑罰法規を分析することにより、犯罪処罰の全体的な傾向を考察する。まず殺人、傷害、窃盗など典型的な犯罪に対する処罰を考察、それを踏まえて未遂、予備、陰謀、共犯、連座など犯罪一般に共通する問題を検討して、秦律、漢律では刑罰を通して犯罪の発生を抑止しようとする「一般予防」が、前近代社会のなかでも特に重視されていたことを明笤쨿龹䋏峈ペ