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草木を愛する風変わりな判事・桑田義雄。家庭裁判所に持ち込まれる数々の事件を通して、現代の人々の愛と孤独を優しく描く都会派森林浴ドラマ。
父親が高裁の長官であり、自身も将来を嘱望される身であるにも関わらず、“家裁”にこだわり栄転を拒否したこともある桑田。数多い問題・事件をいかに迅速に処理するかに目的を置きがちな家庭裁判所において、つねに当事者が抱える問題の本質を見極めようとする主人公の姿勢を描いた連続短編ストーリー。本巻で桑田が扱う主な事件・問題は以下の通り。離婚調停(第1話)、少年の傷害致死事件(第2、3話)、少年の非行問題(第5話)、家庭不和問題(第6話)、少年のシンナー依存問題(第12話)。
ある一組の夫婦が離婚調停をしている。夫婦には娘が一人いるが、父親と母親のどちらにも彼女を引き取る意志がない。そんな両親を見て、一度はやけになりかけた少女だったが、「15歳になれば一人でできることもあるんだよ」という桑田の言葉をヒントに、15歳以上になれば子供でも自分の意志で養子縁組ができることを知る。そして少女は自分の居場所をたった一人で決めるのだった(第1話)。