気がつけば日本の食料自給率は四〇%を割るありさま。そして輸入食品の多くは中国産だ。ところが、中国産冷凍餃子を食べた日本人が中毒症状を訴え、五歳の女児が重体になった。いわゆる「毒餃子事件」である。それにより中国食品離れが起こり、またそれも忘れられようとしている。しかし、問題なのは、日本人のほとんどが、その生産現場を知らずに食べていることではないか。各国の日本向け食料製造現場を取材し続けたジャーナリストが、骨なし魚から、エビフライ、タコ焼き、ブロイラー解体、鮨ネタづくりまで、中国のあらゆる食品工場を取材しリポートした、書き下ろし作品。