門司港上陸から福岡市街地の占拠まで、共生派の爆弾攻撃以外に幻獣からの大規模な攻勢はなかった。そのことに状況を楽観視した派遣司令部は、政治家を介入させる形で危ぶむ善行らの意見を封じ込め、熊本まで一気に侵攻するという大胆な作戦を決行。だが善行の悪い予感は的中する。先頭を切り、熊本へと先を急ぐ戦車師団と、その後に延びていく補給線。幻獣は満を持していたかのように、無防備な補給線の真横から自衛軍に襲いかかった。退路を断たれ孤立する師団、取り残される学兵、そして悲鳴の果てに沈黙する兵士たち。その最中、森精華からの連絡が途絶えた…。