「天保の改革」は十二代将軍家慶が描く理想とは異なり、老中水野忠邦と目付鳥居耀蔵の二人によって悪の改革と化していた。水野は三藩を玉突き式に転封する、不当な「三方領知替」の強行をたくらむ。幕府の横暴なやり方に対し、庄内藩では反対運動が起こり、調査のために公儀御庭番が派遣されることになった。暴動を起こし野望を実現せんとする水野・鳥居配下の隠し目付、それを阻止する菅沼外記ら闇御庭番。「秘本おくのほそ道」の罠が進行するなか、謎の黒鍬者も加わって、正邪の隠密が鎬を削る。闇御庭番と犬“ばつ”が陰謀に挑む―。シリーズ第二7|1E80F5&pbt