皇国初の異例な元帥が誕生する。平民から騎士の最高位へと昇り詰めた男シグルド、その人だった。シグルドのその勢いを借りゼルツタール公は武力決着を目指す。群雄割拠の選皇侯も今や三人。勢力を拡大したゼルツタール公とゼッキンゲン公の一騎打ちになると思われた。だが状勢は意外な方向へ。長き沈黙を破りヴァルネミュンデ公が動いたのだ。しかも今さらの講和を提案するという。その意図とは一体―?野心、策略、それぞれが思惑を秘め、三人の選皇侯が一堂に会す。後に皇国の転換点として歴史に名を残すことになるプレードリッツ講和会議が始まっ7