ウィルモント一族の宿敵だったバジルが亡くなって3年。彼のせいであやうく命を落としかけたリチャードも、今は豊かな土地の慈悲深き領主として、平穏な日々を送っていた。あるとき宮廷へ向かう途中、偶然出会った女性を危機から救う。隠しきれない高貴な物腰、知性を秘めたすみれ色の瞳。農民に身をやつしてはいるが、ノルマン貴族に違いない。彼女の謎めいた美しさに、リチャードは強く惹かれる。だが、やがて宮廷で明かされた真実は、彼に絶望をもたらした。その女性ルシンダこそ、憎むべきバジルの未亡人だったとは。憎しみ合う宿命を背負った二7|1E80F5&pbt=B&pbt=B&se