15世紀初頭のウェールズ。反イングランドの戦いが激化するなか、ついに今日、ドリスルウィン城が国王軍の手に落ちた。陣頭指揮に立ったのは誉れ高き屈強の騎士ラウール・ド・シャレ、“シュヴァリエ”という異名を持つ、皇太子ヘンリーの忠臣だった。城の明け渡しと、城主リンの処刑を求めるシュヴァリエに対し、リンはとっておきの宝物を差し出し、命乞いをした。宝物とは、うら若き美女キャトリン。莫大な財産の相続人であり、あのデヴロー一族、ウェンステープル伯爵家の許嫁だという。これは願ってもない幸運―シュヴァリエの瞳が妖しく光った。