「清瑞!織部!」自分を出迎えにきてくれた九峪の笑顔を見た瞬間、清瑞の胸は熱くなった。「お疲れ様でした。そしてお帰りなさい」志野が丁寧に頭を下げると、居並んだ幹部が一斉にならった。一介の乱破が戻っただけなのに、こんなふうに声をかけてくれるなんて。耶麻台共和国以外では考えられないことだ。それは、最高の指揮官がいるから…清瑞はそっと九峪を見つめ、改めて思った。ようやく九峪のもとに帰還した清瑞。彼女がもたらした情報は、九峪の決断を後押しした。堕天の荒皇女が入った“時の回廊”に、入る。そして、日魅子を守りにいく。そのために必要な手は…。古代和風ファンタジー第二部、ここにフィナーレ。