王子不在の世界で、姫君は求める。最強の魔法書と言われる『ひとつめの嘘』を。200年を越える時を生きてなお、変わらず続く長い旅。だがその一方で、ジネットは偽らざる自分の思いと対峙していた。「私は―彼に会いたい。彼と話したい」そんな中、ジネットはひとりの少年と出会う。ソルと名乗るその少年は、二年前までの記憶をすべて失っていると言う。二年前。それは、リュカがこの世界から消えた時―。ひとつの確信を抱くジネットだったが、ソルの傍らには、『守るべき存在』である少女がいた…。かつての敵が味方になり、味方が敵として立ちはだかる。物語は真相へ―。華麗なるネオ・ファンタジー、第三弾。