たぐいまれな美貌に恵まれ、シルクとキャビアに囲まれて育った少女は、ヨーロッパ社交界の寵児としてもてはやされた。彼女の名はフランセスカ・セリテラ・デイ。高名なデザイナーだった祖母、セレブリティの代名詞のような母をもつ21歳の令嬢には、怖いものなど何もなかった。だが、母が突然の死を迎えたとき、その財産は底をつく寸前だったという事実が彼女を襲った。藁にもすがる思いで、フランセスカは人の紹介を頼りにアメリカへ渡る決心をする―あまりに残酷な試練と、人生を揺るがす出会いが待っているとは想像もせずに。この作品で執筆スタイルを確立したと著者自ら語る、最高傑作、待望の初邦訳。