大ヒットノベルの図書館版、第4弾!歌声が聞こえる。そこは、紅い世界だった。一面に紅い花が咲き乱れ、隙間なく大地を埋め尽くしている。何もない、ただ蒼いだけの空が広がる。…紅い草原に、再び歌声が聞こえた。そしてそれが終わった時、最初に聞こえた声が訊ねる。「これからどうするの?」別の声は、「いつかと同じさ。どこかへ行こう」すかさず答えた。「そうだね。そうしよう」最初の声が、嬉しそうに同意した。そして言う。「そろそろホントに起こしてほしいなあ。キノ」―ショートストーリー連作の形で綴られる、人間キノと言葉を話す二輪車エルメスの旅の物語。
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