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要旨 |
段銭(反銭)は、田一反毎に一定額の銭を一律に賦課した中世特有の税制である。朝廷・幕府の行う国家的行事や、寺社の造営・修造などを名目として臨時に賦課徴収された。その実態は時期により変容しており、室町幕府をはじめ守護や寺社など、様々な賦課主体が、どのように段銭を徴収していたのかについては、これまで十分には検討されていない。国家中枢から在地社会に至るまでの諸階層が、深く関与していた段銭徴収の実態を探ることで、日本中世の収取構造、さらには税制を通じた支配秩序の形成過程を明らかにする。 |
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目次 |
1 室町幕府段銭収取制度の成立と展開(平安・鎌倉期の段米・段銭―一国平均役との関係を中心に |