は大好きな人が居る。――侯爵令嬢アニエスは、長年の片思いの相手であり婚約者でもあった王太子のリュシリュールに、婚約破棄を告げられる。彼の隣には恋敵の姿が…。どうせ愛されることはないのであれば……、このまま陥れられ、虐げられる未来しかないのであれば、だったら最後に……。「ご安心なさって? 言われなくとも、乙女を抱くように優しく抱いて差し上げましてよ?」家を、そして自らの自由を守るために取ったアニエスの行動は、恋の大波乱の幕開けだった。国を巻き込んで大騒動!こんなに執着されるなんて……聞いてない!?素直になれない二人の拗らせた恋の行方は果たして…――