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要旨 |
「あぶない、あぶない、気を付けねばあぶないと思う」『三四郎』『草枕』など漱石作品にはこのフレーズが繰り返し登場する。漱石は汽車で各地を旅する近代の申し子でありながら、鉄道を通じて、競争、能率、スピード、利便性、成果主義の近代文明のあやうさ、戦争の愚かしさを語った。作品や日記、書簡などをもとに、当時の時刻表や旅行案内を参考に、できるだけ忠実に、漱石の汽車旅の足跡をたどる。当時の風景を再現しつつ叙情あふれる藪野健氏の挿絵とともに、路線ごとに、地域の近代化と漱石のまなざしを浮かび上がらせる。 |
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目次 |
第1章 東海道線 |