手塚治虫は「環境破壊」を主題とした多くの作品をとおして、人類がやがて迎えるであろう危機を、繰り返し警告してきました。「北極圏の温暖化で北極点の氷が消滅!」といった報道まで伝わる今日、地球を取り巻く環境は、手塚治虫の「予言」をこえて悪化の一途をたどっています。今だからこそ、彼の作品が胸に響きます。一九六〇年代の公害問題の恐怖を描く『うろこが崎』、人間のエゴで犠牲になった自然の復讐をテーマにした、「ブラック・ジャック」収録の『ディンゴ』、名作『白縫』、「鉄腕アトム」の秀作『赤いネコ』など、手塚治虫の自然への熱396110286.jpg