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日本の近代が抱え込んだ「憂鬱なる孤独」に、心身を賭して向き合った漱石。その苦闘の軌跡を、『三四郎』から『明暗』まで八つの作品を対象にして読み解く。没後百年を経たいまなお、われわれを惹きつけてやまない漱石の魅力の源泉に迫る。「思想」としての漱石論の決定版。
はじめに 思想としてのメランコリー第1章 トライアングル・モデル―『三四郎』第2章 転調する内省―『それから』第3章 自意識か悟道か―『門』第4章 内向的人間の成立―『彼岸過迄』第5章 現実を失う過敏―『行人』第6章 告白と負い目―『こころ』第7章 演出される自己―『道草』第8章 関係が関係する―『明暗』