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紀元前5‐4世紀のアテネでは公と私の緊張・対立が政治的にも倫理的にも取り組むべき火急の課題であった。本書は初期対話篇の四篇と『ポリテイア(国家)』篇を中心にプラトンの人間観、政治哲学、倫理学、魂論に注目し、公と私とは何か、その関係はどうあるべきかを問う。
プラトン哲学と公‐私問題第1部 プラトン初期対話篇(プロタゴラス「大演説」(Prt.320c‐328d)の公と私―ソフィストの人間理解ソクラテスの衝撃とプラトンの継承―『ソクラテスの弁明』篇と『ゴルギアス』篇『メネクセノス』篇における公と私―“自由”概念の創出)第2部 『ポリテイア』篇:公私の調和的結合の生へ(序(第1巻)―公私混合の生のイメージ化問題と方法(第2巻)公私の分離:正義論(第2‐4巻)公私の統一(第5巻)公私の結合へ:第三の大波(第5・6巻)「洞窟の比喩」(第7巻)公私の分離・混合・綜合・不正論(第8・9巻)ポリスに生きる人間(第10巻)―その永遠の生)