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がその名を知る、宮沢賢治の名作童話『銀河鉄道の夜』をもとに、1985年に制作された劇場映画『銀河鉄道の夜』は日本のアニメ映画史上の名作です。 漫画家ますむらひろしが1983年にキャラクターをネコの姿に変え、朝日ソノラマ社より描き下ろしで出版された『銀河鉄道の夜』を原案にしたこの映画は、賢治童話のエッセンスを最良の形で映像化したものとして、従来のアニメファンをこえた観客にも愛され、毎日映画コンクール・大藤信郎賞を受賞いたしました。 制作陣も豪華でした。監督:杉井ギサブロー原案:ますむらひろし脚本:別役実音楽:細野晴臣 監督を務めた杉井ギサブローは、長いキャリアを誇ります。東映動画の1958年発表の長編第1作『白蛇伝』での動画スタッフから、さまざまな作品に関わった後に、虫プロに移籍。日本初の連続TVアニメ「鉄腕アトム」、独立して「悟空の大冒険」「どろろ」ほかを演出・監督し、しばらくアニメの世界をはなれて放浪の旅から戻って来ては、「ナイン」「タッチ」といった、あだち充作品の監督を長く務めました。 原案には、代表作である「アタゴオルシリーズ」や本作以降も続く宮沢賢治のコミカライズで、魅力的なネコたちを描く続けている、ますむらひろし。 脚本の別役実は、多くの受賞歴もある劇作家であり、童話やエッセイ、評論も手掛ける別役実。 そして音楽を担当しましたのは細野晴臣。「はっぴいえんど」から「YMO」を経た細野による、初の劇伴作品がこちらでした。 劇場公開時に朝日ソノラマから刊行された本書は、キャラクターから美術までの設定資料、スタッフインタビュー、全絵コンテ収録の充実した内容であり。現在では古書価も思った以上に上がっています。 今回復刻となった本書では、当時の本では載っていなかった杉井ギサブロー監督本人のインタビューを新規取材で収録いたします。ジョバンニとカンパネルラの静かな友情を思い起こしください。