痛みは、その人個人の特有な感覚で、なかなか他人とは共有できない。だが、痛みがあるからこそ病気の存在がわかるため、痛みの治療は医療の原点であった。痛みの研究は近年、大いに進歩した。なぜ痛いのか。どうしたら痛みから解放されるのか。最新の研究成果は、痛みに苦しむのは過去のことだと教えてくれる。癌の進行にともなう痛みは、患者の人間的な生活を奪ってきた。痛みの我慢は無用なことで、痛みさえなければ「生活の質=クオリティ・オブ・ライフ」が保てるのだ。痛みのない安らかな生活を実現するために、ペイン・クリニックの第一人者が贈る福音の書。