アメリカの覇権戦略は、多くの国々の市民の命を奪ってきた歴史を持っている。しかし、無辜の人びとの血がどんなに流されても、それがアメリカやアメリカの支援する国家の行為である限り、テロと呼ばれることは少ない。なぜなのだろうか?いまアメリカは、史上最強の軍事力を持つ国家として、覇権をいっそう押し進めようとしている。しかしそれは同時に、多くの人びとの生存を危うくする道程にもなっているのだ。アメリカの覇権戦略の現在と未来を、その歴史的経緯をたどりながら詳細に分析し、揺るぎない視点から国際社会のあり方と人類存続への方途を探る、チョムスキーの集大成ともいえる書。