子どもたちの行動が、親や大人には解読不能になってしまった。子どもは「自尊心のかたまり」として誕生し、親の視線の中で成長していく。虐待や暴力を受けることもある。不登校、学級崩壊、引きこもり、カルト宗教…時代はさらに苛酷になり、彼らは必死にこの現実を生き抜こうとしている。著者は長年にわたる少年少女との継続的な対話・取材を通して、彼らが回想した「物語」に着目。現代の家族、社会の問題点を鋭く指摘する。新潟監禁事件、バスジャック事件などにも言及し、なぜ子どもにとって「生きにくい」社会になってしまったのかを問いかける。