平和でいるために武力は必要という前提の下、戦争を限定的に肯定する論理を「正戦論」という。この考え方が、各国の法制度や国際法の基盤となり、反戦平和を嘲笑う現実主義者たちの論拠ともなっている。しかし、彼らの常識は、ほんとうに「現実的」なのだろうか?本書では、沖縄の悲劇を直視しつづける音楽家と、元アメリカ海兵隊員の政治学者という異色コンビが、自らの来歴を振り返りながら、第二次世界大戦後のアメリカ、日本、沖縄における既存の運動のあり方を具体的に検証していく。着実に進行しつつある滅亡の現実に抵抗するための、一般常識としての反戦平和。