自動販売機の歴史は意外に古く、そのルーツは古代エジプトにまでさかのぼる。その後、一九世紀のイギリス、二〇世紀前半のアメリカで発展。日本にはすでに明治時代からあったが(日本人による第一号は1888年)、あまねく普及するのは二〇世紀後半のことである。今日の日本では全国津々浦々に普及し、その数は五五〇万台を超え、年間売上金額は七兆円に上る。世界一の「自動販売機大国」なのである。自動販売機はなぜ日本で発達したのか。自動販売機が人間や社会に与えた影響は何か。自動販売機の歴史と文化を豊富な図版を使って述べる。