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要旨 |
一九二〇年代、日本では大正デモクラシーのもとで「改造」が流行語となり、「民衆」が歴史の表舞台に躍り出て、それによって逆に知識人のあり方が問われるようになった。そして、民本主義・社会主義など、この時代を席巻した様々な思想は、東アジア各国間で連鎖し合い、それぞれの地域での伝統を踏まえた同名異義の個性的な思想が生み出され、それがまたブーメランのように投げ返されてお互いに影響を与えあったのである。これまで日本発の一方的な伝播だと考えられがちだった二〇世紀初頭の東アジア思想に対する見方を転換し、その位相の違いを描き出す。 |
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目次 |
1 第一次大戦と東アジア(李大〓(しょう)―中国マルクス主義の父 |