[要旨]
冷戦の終結と新自由主義の席捲によって、歴史への関心と想像力が干上がってしまった日本社会。本書は、この状況に危機感を抱いた日米両国の研究者たちが、一九八〇年代以降の日本社会の深層をさまざまな角度と時間幅で「思想史する」こによって、未来への想像力を取り戻そうとする試みである。
[目次]
個人と協同
「新しい人」の政治の探究のために―水俣から学ぶこと
近代日本における「責任」の変移
親密性をめぐるせめぎあい―政治経済の構造変革と家族/ジェンダー
「構造改革」の思想
「失われた」四〇年―戦後労働の精神史
季節はずれのはかない幽霊―戦後日本における第二の昭和維新