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[要旨]
昭和という動乱の時代に、その歴史の展開の中で、西田幾多郎は独自の思索を展開した。「歴史」という概念を軸に、「宗教」の問題に踏み込む西田哲学の全体像を描く。
[目次]
第1部 京都学派の問題圏と歴史的世界の哲学としての後期西田哲学の形成(京都学派における「歴史」の問題の萌芽―昭和四年前後の三木清と田辺元
西田における「歴史」の問題の萌芽―『一般者の自覚的体系』を中心に
歴史的世界の哲学の成立への道―『一般者の自覚的体系』から『哲学の根本問題続編』へ)
第2部 歴史的世界の哲学としての西田哲学と宗教の問い(「制作」
「行為的直観」
「絶対矛盾的自己同一」
「場所」)
補説 京都学派の問題圏の展開と時代の中での歴史への問い(「歴史」と「哲学」との狭間で―高坂正顕の歴史哲学と時局的発言
「実践」という問題をめぐって―京都学派の問題圏と西田の立場)
[出版社商品紹介]
昭和初期の動乱期に京都学派が時局にあった議論を発表するなかで、それから距離をとって独自の議論を展開した西田哲学の全体像を描く。