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[要旨]
明治日本のアジア認識形成に、国粋主義はいかなる影響を与えたのか。志賀重昂・稲垣満次郎・高橋健三らを国粋主義グループとして包括的に捉え、その結節点となった東邦協会を軸にアジア認識の枠組みを考察。さらに彼らの思想が、アジア経験のなかでいかに形成されたかを解明し、海外の日本語メディアが果たした役割からも、その実像を探る。
[目次]
国粋主義研究の視角
第1部 国粋主義グループのアジア認識枠組み(「東方策士」稲垣満次郎の対外論と地域社会―「東方論」の構造・伝播・変容
志賀重昂と稲垣満次郎の南洋経験―アジア主義におけるオーストラリア要因
高橋健三の国粋主義と東アジア秩序構想―人道・国際法・東亜同盟
国粋主義と近代仏教―アジア主義におけるインド要因)
第2部 アジア認識の形成とメディア(「東学党」報道と陸羯南―日清開戦直前のジャーナリズム
内藤湖南の台湾経験―帝国主義状況下の国粋主義
植民地統治初期の台湾とメディア―『台湾新報』と『台湾日報』について)
明治日本の国粋主義思想とアジア