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[要旨]
昭和十六年の日米開戦の決断はどのような経緯でなされたのか。いかにアメリカに追い詰められたとはいえ、回避する手立てはなかったのか。今日まで謎とされる最終的決断の局面を、首相近衛文麿と内大臣木戸幸一の中国撤兵案をめぐる対立、陸海軍の組織上の確執などを軸に解き明かした歴史評論。開戦を煽ったジャーナリスト徳富蘇峰や敗戦後、今日にまで続く木戸幸一とノーマンの隠蔽工作まで、類書に見ない卓抜な指摘がたくさん含まれた傑作評論。
[目次]
第1章 だれが戦いをあおったのか
第2章 どうしてサイゴンに派兵したのか
第3章 なぜ天皇は「雲南作戦」を思い出したのか
第4章 どうして敵の反攻を考えなかったのか
第5章 どうして統合幕僚本部がなかったのか
第6章 なぜ近衛は東条に内閣を託したのか
第7章 なぜ吉田茂の乙案は無視されたのか
第8章 だれが近衛を自殺に追い込んだのか