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本書では、長い歴史のなかで日本人が大切にしてきた名刀を、ビジュアルとともにわかりやすい文章で紹介しています。江戸時
代、『享保名物帳』にまとめられた、天下三作の「藤四郎」「正宗」「江義弘」の名刀や、愛称である「号」を持つ名物刀剣。そして、
室町時代の刀の「映り」を7世紀ぶりに再現した、現代の刀匠・河内國平氏の刀神の技など、今も作られていることに外国人が
驚くという現代刀までを紹介。「実物大の名刀」では、秀吉・家康へと継承された「南泉一文字」をそのままの大きさで楽しめるポ
スターも付いています。また『利休にたずねよ』で直木賞を受賞した山本兼一氏の生前インタビューから、氏が語る日本刀の品格
にも迫ります。さらに、日本刀を愛した高倉健さんの追悼記事も掲載しています。
多方面から、日本刀の魅力、そして日本刀にみるニッポンの心を感じていただける一冊です。
【第壱部】名刀を詠む
●天下三作
『享保名物帳』で取り上げられ、天下三作として後の世にも名を残す、「藤四郎」、「正宗」、「江義弘」
の作品を紹介。
●名刀列伝
多くの人に愛された刀には親しみを込められて呼ばれた名『号』がある。その号に秘められた名刀の逸話から刀を解き明かす。
「大般若長光」、「獅子王」、「ソハヤツルギ」など
●刀を感じる
戦国時代以前の日本刀を年代順に1つ1つの刀の特徴、味わいを感じながら鑑賞する。
「銘 国光」、「古備前助包」、「古波平」、「備州長舩康光」、など
●刀と神社
戦の際に戦勝祈願に刀を奉納するなど昔から刀と神社は密接な関係にあった。
大山祇神社、厳島神社、富士山本宮浅間大社、熱田神宮、石切劔箭神社、日光二荒山神社、
三嶋大社と関わりのある刀とその逸話から人を切る道具だけではなかった刀の精神的な部分を読み解く。
【追悼企画】日本刀と高倉健
日本刀を愛し、人に送ることもあったという高倉健さん。逸話なども交えながら、日本刀のどこに惹かれたのか迫る。
●原寸大の名刀
重要文化財である猫を真っ二つに斬ったといわれる「南泉一文字」。
原寸大で日本刀の重厚感を味わう。