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近年建築の分野でも活躍する現代美術作家杉本博司は、2009年秋に開館したIZU PHOTO MUSEUM(静岡県長泉町)の内装・坪庭設計を手がけています。本書はその開館記念展カタログであり、新作2シリーズと美術館空間を、杉本自身のテキストとともに紹介いたします。
2つの新作シリーズは、写真術のパイオニアの一人、ウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボットへのオマージュともいうべき写真からなります。フィルムに直接電流を流すことで、その光跡を焼き付けた「放電場(ライトニングフィールド)」は、科学者でもあったタルボットが中断した放電実験から影響を受けています。またタルボットが残した紙ネガから170年という時を経て、浮かび上がる「光子的素描(フォトジェニック・ドローイング)」は、ネガという楽譜の杉本の手による変奏であり、今まさに消えようとしている像を転写・継承する試みでもあります。
本書では、「放電場」作品の初期試作段階から最新作六曲一双の大作までを、「光子的素描」にはタルボット研究の第一人者ラリー・シャーフによる貴重な本邦初訳となる図版解説を収録しています。
また評論家清水穣による作家論にこたえて、杉本博司1970年代作品を初公開しています。
テキスト:杉本博司、ラリー・シャーフ、清水穣