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富士岡耕太(大野智)は、これといった取り柄もなく、どこにでもいる普通の青年。温かい家族に囲まれ、就職もして、恋人の田辺絵津子(木村文乃)とも順調に交際を進めていた。そんな時、耕太は突然倒れ、病院に運ばれる。宣告された病名は「悪性リンパ腫」。入院生活の中で、耕太に訪れる出会いが、耕太と彼の周りの人々の人生を変えていく…。
中途半端な風景。中途半端な町。
中途半端な俺の顔。中途半端な俺の人生。
いつか、この中途半端の繰り返しから抜け出せるんだろうか?
【STORY】
とある地方都市に住む富士岡耕太(大野智)には、これといった取り柄もなく、情熱を捧げているものもない、そんなどこにでもいる普通の青年。普通といっても人並みに悪さもした、遊びもした、大学は中退した・・・そんな片田舎の普通の青年。
いつも見守ってくれている頼りになる父親の富士岡健二郎(三浦友和)、手料理で家族の健康を管理する心優しい母親の富士岡康子(岸本加世子)、家族のムードメーカーである姉の富士岡小春(ミムラ)という、温かい家族に囲まれてただ、なんとなく生きてきた、ごく普通の青年。
そんな耕太だったが、ようやくやってみようと思うことができた。それは、料理。
美味しいものを作ってみんなに食べさせてあげたい。耕太は、見習いコックとしてレストランで働き始めた。就職をして、恋人の田辺絵津子(木村文乃)とも順調に交際を進めていた、そんな矢先の出来事だった。
耕太は突然倒れ、病院に運ばれる。
医師の村山(嶋田久作)によって宣告された病名は、悪性リンパ腫。つまり、血液のガンだった。
———ガンって何だっけ?
実感のなかなかわかない耕太だったが、それを機に耕太と家族の生活は、一変した。
想像を絶する治療に、耕太と絵津子、そして耕太と家族との間に、微妙な距離感が生まれていく。
自分のせいで大切なものが壊れていってしまう———。
つらい入院生活の中で、耕太に訪れる出会いが、耕太と彼の周りの人々の人生を変えていく。
ひとりの青年、原田信夫(山田涼介)。幼い頃から発病し、人生のほとんどを病院で過ごし、そこで様々な死を見つめてきた、義足の青年。
毎日、病院の屋上で不思議な体操を続けるひとりの男、呼吸さん(あがた森魚)。
ひとりの女性、大久保由里子(深田恭子)。カウンセラーとして病院で働くが、どこか影のある、女性。
そんな出会いの中、耕太の中で何かが変わっていく。
そして、耕太はつらい抗がん剤治療に耐え、ガンに勝った。
しかし、再発。———余命、三か月。
健二郎は「大丈夫だ」と力強く励まし、康子は愛情込めた手料理を作り、
小春は笑顔を絶やさず、家族は必死に耕太を支え続けた。
命の期限を知った耕太は「ちゃんと生きて、ちゃんと死ぬ」ことを決意する。
残された時間で、一体何ができるのだろうか?
耕太の、「ちゃんと死ぬための時間」が始まった。
【CAST】
大野智 深田恭子 山田涼介 木村文乃 嶋田久作 あがた森魚 ・ ミムラ ・ 光石研 岸本加世子 三浦友和
【STAFF】
原作:「大空への旅立ち がんと闘いながらも夢見ていた未来」幸和也(文芸社)
脚本:橋部敦子
音楽:松本淳一
チーフプロデューサー:神蔵克
プロデューサー:河野英裕 大倉寛子
演出:菅原伸太郎
制作協力:日テレアックスオン
製作著作:日本テレビ