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特集●褥瘡患者のQOL向上をめざした栄養管理
企画編集/幣 憲一郎
褥瘡治療における「栄養管理」は治療の根幹であり,「除圧管理」「スキンケア」とともに3本柱であると考えられていることはWOCナースの皆さんも理解されているでしょう。しかし,褥瘡発生に関連する栄養不良・低栄養状態が,長期にわたる摂食不良などによって引き起こされることが多い点や,褥瘡患者の多くは高齢者であり,食欲もなく十分なエネルギーならびに各種栄養素の補給が行われていないという現実もあって,慢性的な蛋白質・エネルギー低栄養(protein energy malnutrition
PEM)状態になっていることについてはいかがでしょうか。
一般的な褥瘡治療においては,原疾患の治療上必要となる手術後などの侵襲的ストレス,炎症,感染症など消耗状態によって必要エネルギー量が上昇することを認識していなかったり,食欲低下による食事摂取量の低下といった要因が複合されることにより,体内免疫力の低下が惹起され,褥瘡の発症,創傷の治癒遅延につながります。たとえば,呼吸器疾患(COPD)などにより活動量が低下し臥床状態にある患者は,消耗性状態にあるにもかかわらず,十分なエネルギーや各種栄養素の補給が行われていないことが多く,経口摂取が進まないという理由で長期静脈栄養管理となっているケースがあります。
食欲のない患者に対する看護師の皆さんからのサポート・アドバイスを聞かせていただくと「ご飯だけでもよいから一口でも食べてくださいね!」としばしば表現されます。しかしながら,褥瘡治療上最も必要とされる栄養素は蛋白質であり,「主菜(おかず)を一口でも食べてくださいね!」というサポート・アドバイスに変更することで,管理栄養士との栄養管理面での連携が図れるケースも多いのではないでしょうか。
本特集では,「褥瘡患者のQOL向上をめざした栄養管理」というタイトルに基づき,実践現場でご活躍されているご専門の先生方から,各種栄養素などの投与量の設定から種類の選択方法を解説していただくとともに,基礎から応用まで,臨床現場で遭遇するさまざまな困難に対して,医師の視点・看護師の視点を含めたアドバイスを交えて解説していただきます。皆さんが臨床現場でお使いになるテクニックの一助になれば幸いです。