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平安末~鎌倉初期の最重要史料・藤原兼実の日記『玉葉』を精読。元暦元年(1184)記は、木曾義仲の滅亡、一の谷合戦、後鳥羽天皇の即位式・大嘗会、春日宮曼荼羅、和歌判起請などの記事を有し、歴史、文学、美術史など多分野で利用されてきた。九条家本を底本として先行刊本の誤りを正した「本文」、古辞書の読みや国語学の成果を取り入れた「書き下し」、平易な「口語訳」を掲げた。関連史料や先行研究を博捜し、記主の語法・文体などを踏まえ、その筆録意識や写本の書写意識のレベルまで掘り下げた解釈を示す詳細な「註釈」によって、古記録の史料読解を新次元へと導く。