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昨今、世界遺産登録など、空前の「古都」ブームであるが、そもそも「古都」とは近代に生み出された概念であり、改めて「古都」を相対化した学問研究が求められている。本書は「都市の歴史性」をキーワードに、京都・奈良など王権と関わった都市である「古都」、金沢・仙台などの「城下町」を対象に、近代史を中心に分野を超えた研究者たちが多数参加した京都大学人文科学研究所・共同研究「近代古都研究」班の成果である。
歴史都市の歴史性 高木博志著. 修学旅行と奈良・京都・伊勢 高木博志著. 郡区町村編制法と京都 小林丈広著. 創建神社の造営と近代京都 清水重敦著. 一八九三年オーストリア皇族の来京 高久嶺之介著. 明治期「洛外」の朝廷由緒と「古都」 谷川穣著. 幸野楳嶺《秋日田家図》について 高階絵里加著. 橋梁デザインに見る風致に対する二つの認識 中川理著. 京都の風致地区指定過程に重層する意図とその主体 中嶋節子著. 歴史を表象する空間としての京都御所・御苑 河西秀哉著. 権門寺社の歴史と奈良町の歴史との間 幡鎌一弘著. 平城神宮創建計画と奈良 黒岩康博著. 神都物語 ジョン・ブリーン著. 「城下町金沢」の記憶 本康宏史著. 誰が藩祖伊達政宗を祀るのか 佐藤雅也著. 武士と武家地の行方 岩城卓二著. 帝国の風景序説 小野芳朗著. 高等中学校制度と地方都市 田中智子著. 近代「三都」考 丸山宏著