"あにめのこうかは、ばつぐんです? わたしたち人類がゆるやかな衰退を迎えて、はや数世紀。すでに地球は""妖精さん""のものだったりします。そんな妖精さんと人間との間を取り持つのが、国際公務員の""調停官""であるわたしのお仕事。壊滅状態となってしまったクスノキの里の総人口は、激減しました。物資は豊富にあるものの、再建は進まずに、若者の里離れが加速してしまったのです。そんな折、「わたし」の祖父は、古い知人に誘われて旅行に出かけてしまいます。行き先は——月。念のため、丸まり状態の妖精さんをひとりお供につけたものの、心配"