天皇陵古墳の論考や古事記・日本書紀、邪馬台国の謎に迫ってきた考古学の第一人者が、80余年の人生で出会った「忘れえぬ人」たちとの交流を達意の文章でつづる。西日本新聞連載コラムの待望の書籍化。登場する50人余は、司馬遼太郎や松本清張、黒岩重吾ら考古学に造詣の深かった作家から、騎馬民族国家説で有名な先輩学者の江上波夫、ライバルだった国立民俗歴史博物館長の佐原眞、市井の研究者として北九州の遺跡発掘に命を捧げた原田大六、いとこでイタリア文学者の須賀敦子、歌人の俵万智、女優の宮崎美子までと多士済々。戦後考古学史としても読める珠玉のエッセーだ。