細胞内の重要な遺伝子をはたらかないようにしても、バクテリアやマウスは生きていることがあります。大切なはたらきだからこそバイパスがあり、そうした「遊び」があるからこそ生きものは柔軟に、強く生きていけるのです。では編集工学研究所の松岡正剛氏、生物学者で歌人の永田和宏氏、京都大学霊長類研究所の松沢哲郎氏らが「遊ぶ」という言葉をめぐり、各分野から奥行きのある対話を繰り広げます。震災以降、物語性を大切にする生命誌の考え方に、共感する人が増えているという声が聞かれます。誰もが生きていることを楽しいと思える社会に向けて、生命のこれからを一層深く見つめる一冊です。