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表紙裏は、出版業揺籃期特有の事情を秘めたタイム・カプセルである。出版業が発展する前夜、和本の表紙裏には、芯紙のかわりに反古が使われていた。本書は和本を精査し反古という異物を探る書である。そこには、何が隠されていて、そこから何を知ることが出来るのだろうか。近世初期の板本の、表紙と見返しとの間にかくれている墨書きや、版刷りの異物=「表紙裏反古(ひょうしうらほご)」の来歴を探る書。和本のオーバーホールの仕方から、それが何かを探るまでを丁寧に追った、「表紙裏の書誌学」です。【補強材として表紙の裏側にひそむ反古を仮に表紙裏反古(ひょうしうらほご)と呼ぶことにしよう。表紙裏反古は、それゆえ、出版業が安定する以前特有の存在であり、反古という異物のひそむ表紙裏は出版業の揺籃期特有のもろもろを封じ込めたタイム・カプセルであった。版刷りの反古からは試行錯誤的に出版された稀覯本や小規模の刊行のゆえに後世に伝存しなかった本の片鱗が出現するかもしれない。また墨書の反古は出版事情に関わりある文書であるかもしれない。これを研究の資料とし活用しないまま見過ごすことが許されようか。】……本書はじめにより