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王朝人にとって自らの思考や感情を仮名の文章で書き表すことは、いかなる営為であったのか。時代の表現様式に抗いつつ、人びとは自己表出としての言語表現のあり方を模索していた。歌言葉の連想に依拠しながらも、独自の批評を加えることによって新しい散文表現を獲得した『枕草子』をはじめ、連想の文体という観点から王朝文学史を捉え直す。