マロリーは、失意を胸にシャルル・ドゴール空港に降り立った。ボスだった下院議員をセクハラで告発した彼女は、マスコミに追い回された挙げ句、訴えを却下されたのだ。政治家を相手に闘うなんて、わたしがばかだったわ―仕事もお金も、友人さえも失い、安息を求めて辿り着いたのは、神秘の島モン・サン・ミッシェル。だが、めざとい観光客に見つかり、しつこく言い寄られてしまう。マロリーが路地裏に追いつめられたとき、突然ひとりの男性が現れて、彼女を助けだした。洗練された服装に不釣り合いな屈強な体と、顎に傷跡を持つ男。警戒したマロリーは、お礼もそこそこにその場をあとにするが…。