戦略物資や軍需品を満載したミナミ一号船団を殲滅すべくマニラ湾を出撃した米アジア艦隊の戦艦9隻に対して、この阻止と邀撃にあたる第八艦隊の戦艦は6隻。戦力的には劣るにもかかわらず鮫島司令官は必勝を期して海戦に臨んだ。それは麾下の七航戦による艦爆流星11型48機の貫通力を強化した4号徹甲爆弾攻撃を緒戦に展開し、敵の戦力を削減した上で艦隊決戦を挑む策戦であり、そのとどめとして二水戦に夜戦を決行させる心積りであった。流星の空爆後、まず長門と陸奥の40.6センチ主砲が斉射を開始。対する米艦隊の35.6センチ砲も激しく応射し、ここに艦隊砲撃戦の火蓋が切られた。