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ケインズが一九三六年に刊行した『雇用、利子および貨幣の一般理論』は二〇世紀経済学で最大の影響力を持つ名著でありながら、その難解さでも知られる。現代資本主義の制度に内在する不安定要因、失業とインフレーションの可能性、景気の長期停滞と所得分配の不平等化に直面しながらケインズが構想した『一般理論』を、私たちはどのように読み解くべきか。本書は、『一般理論』の内容に即して緻密に解説を加えている。ケインズ経済学の全体像を知る上でも必読の書である。