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亡き兄の遺志を継ぎ、南町奉行所に勤め始めた如月右京は、経験の浅さを明晰な推理力で補う異色の見習い同心。豪傑だがどこか抜けている筆頭同心・佐々木信吾や、男装の美少女剣士・お美祢とともに、江戸に巻き起こるさまざまな謎を解決していく。文政六年八月、初秋の江戸。仏壇屋から安物の観音像が盗まれるという事件が起きた。犯人の正体はもちろんのこと、なにより盗む目的がわからない。頭を悩ます右京の前で、なんと信吾に、出会い茶屋で発生した殺しの嫌疑がかかってしまった。信吾の無実を証明できる唯一の証人「幻の女」を捜し始める右京であったが…。観音像に秘められた哀しき執念を前に、右京の西洋剣が煌めく。