小学生同士で“結婚”したハルとカン子。大きくなってから再会するも、それぞれ究極の悪の道をめざしていた―。詐欺教育塾のガーピー先生、暴力団のスットン親分、資産家のプクプク爺さん、女実業家にして大金持ちのチン夫人…。ひと癖もふた癖もある面々を巻き込んで繰り広げられる“三億円争奪戦”!食うか食われるかの騙し合い、惚れた腫れたの逃亡劇。さまざまな思惑をはらんで、舞台は海をも越える。果たして、生来のアウトサイダー、ハルの行き着く先は?そして大金のゆくえは?阿佐田文学ファン必携の長編ユーモア・ピカレスクロマン。