二〇〇×年の首都直下型地震で、日本は壊滅状態に陥った。社会は荒廃し、犯罪が多発する中作られた少年刑務所「特U施設」。駿也が送られたのは、更生とは名ばかりのそんな無法地帯だった。入所初日、恒例のリンチに遭いかけた駿也を、通称『ディンゴ』なる男が救う。だが彼の行動の目的は、駿也を自分専用の慰み者にすることだった。逃げ場のない檻の中、執着じみて暴力的な凌辱にひたすら耐える駿也だが、自分と『ディンゴ』の間にある不可解な符合の存在から、大いなる陰謀に巻き込まれていく…閉鎖された空間で生じる、濃密で危うい恋の行方は。