台湾が大きく分裂している。「緑」と「青」の2つの色に。「緑」とは、民進党。半世紀にわたる国民党の一党支配を、陳水扁が打ち破ったのは8年前。「青」とは、国民党。2008年、大陸出身の馬英九が政権を奪い返した。台湾では、2度の政権交代が起きたこの8年間で、中国からの独立意識が強まる反面、経済的にはむしろ中国との一体化が進んでいる。そして、台湾自立路線の「緑」支持者と、中台融和路線の「青」支持者に社会は二分され、亀裂が深まったのだ。本書はベテラン台湾ウオッチャーの著者が、この8年間で社会・経済の何がどう変化したかを検証し、新政権のゆくえを探る。