マンハッタンの一等地に立つ、エロティックな隠れ家―それがハッシュ・ホテルだ。パイパーはカメラのフラッシュを浴びながら、自分のホテルを眺め、誇らしい気持ちになった。今日ようやく私の夢は叶った。だが、ホテル王と呼ばれる厳格な父は、けっしてこのホテルを気に入らないだろう。その美貌と奔放な私生活のせいで、今や父親までもがパイパーを“タブロイド紙の女王”として侮蔑的に扱っていた。お目付役として送りこまれてきた弁護士のトレースは、開口一番こう告げた。「このままでは財産の相続権を失うことになる」冷酷なトレースの言葉に、remarks=N'' where